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空き家問題は年々深刻化しており、社会的な課題として注目されています。
「令和6年9月25日」に発表された「令和5年住宅・土地統計調査」では、日本国内の空き家数が900万2千戸に達し、過去最多となりました。
空き家率も13.8%と過去最高となり、1993年から2023年の約30年間で約2倍に増加しています。
出典元「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)
空き家問題が地域に与える影響は深刻です。主に以下の3つの課題が挙げられます。
防犯リスク
放置された空き家は、不法侵入や不審者の隠れ場所になるなど、犯罪の温床となる可能性があります。近隣住民にとっては日常生活に不安をもたらします。
防災リスク
老朽化した空き家は、災害時に倒壊する恐れがあるだけでなく、放火事件に発展するケースもあります。特に木造住宅が密集しているエリアでは、火災が発生すると甚大な被害が及ぶことがあります。
景観悪化と地域価値の低下
空き家が放置されることで、地域全体の景観が悪化し、資産価値が低下することがあります。これにより、住民の満足度が下がり、地域から住民が離れてしまう要因になることもあります。
出典先 政府広報オンライン
また、2024年10月に放送されたNHKニュースでは、住宅や事務所など6棟が全焼し、火元は放置されていた空き家から出火したとみられると報道されました。
この火災は、空き家が防災面で深刻なリスクを生み出す存在であることを改めて示しています。
全国的に広がる空き家問題に対し、多くの自治体が空き家バンク制度や解体・修繕への補助金制度など、地域のニーズに合わせたさまざまな施策を進めています。
例えば、空き家をコミュニティスペースやカフェに活用する成功事例も見られ、地域社会の活性化にもつながっています。こうした取り組みにより、空き家所有者が管理や活用をしやすくなり、周辺の安全や景観の向上にも役立っています。
次に、国が空き家問題の解決に向けて定めた法律として「空き家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家対策特別措置法)があります。
2015年2月26日(一部は同年5月26日)に施行され、この法律により放置された「空家等」や周囲に悪影響を与えると判断された「特定空家等」に対しては、自治体が所有者に改善を命じることが可能となりました。
空き家の増加が社会問題となる中で、自治体や専門業者を活用して空き家を適切に処理・活用する方法が増えています。
例えば、一定の条件を満たす空き家には補助金を活用して修繕や解体を行うことができる制度もあります。
また、空き家バンクへの登録で新たな利用者を見つけやすくなり、売買や賃貸への道が広がります。
さらに、専門業者へ依頼することで、片付けから管理・売却まで効率的に進められ、最適な選択肢を検討するうえでも大変便利です。下記の表では、代表的な取り組み内容とメリットをまとめましたので、ぜひ参考になさってください。
取り組み内容 | 具体例 | メリット |
---|---|---|
助成金の活用 | 例: 解体費用への最大50万円補助 | 経済的負担の軽減 |
自治体への相談 | 例: 空き家バンク登録 | 空き家を必要とする人へ提供できる機会が増える |
専門業者への依頼 | 例: 空き家の片付けをプロに任せる | スムーズな管理や売却につながる |
空き家問題が社会に与える悪影響を考えると、放置せず、適切に管理・活用することが不可欠です。空き家は適切に利活用されることで、リスクの軽減だけでなく、新しい価値を生み出す可能性を秘めています。
ここでは、空き家を所有する際の具体的な管理方法や活用法について紹介します。
「空き家バンク」は、空き家を賃貸や売買のために登録できる制度で、地域の需要に合わせて空き家の利活用を促進するために役立ちます。
これを活用することで、空き家を必要とする人に提供できるほか、売却や賃貸収入といった経済的メリットも得られます。
空き家を活用するもう一つの方法として、リフォームやリノベーションを行い、賃貸物件や地域のコミュニティスペースとして転用することが挙げられます。
空き家の老朽化が進み、安全に維持することが難しい場合には、解体して土地として活用する選択もあります。更地にすることで、駐車場など、新たな利用も考えられます。
解体にかかる費用については一部の自治体で補助金制度が設けられている場合があるため、自治体に問い合わせると良いでしょう。
実家の片付けは空き家問題と密接に関わっています。
空き家となった住宅には、家財や荷物が整理されず放置されているケースが少なくありません。
こうした状況を改善するには、まず空き家の片付けを優先して行い、その後に管理や売却、あるいは新たな活用のステップを計画することが重要です。
片付けを進めることで、空き家の売却や有効活用がスムーズに進み、問題解決への一歩を踏み出せます。
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