ホーム » 遺品整理の進め方の流れと手順、コツと注意点を解説

遺品整理の進め方の流れと手順、コツと注意点を解説




遺品整理の進め方

私たちは2002年の創業以来、延べ2,150件の遺品整理に立ち会い、ご遺族と向き合ってまいりました。現場には、思い出の品を前に立ち尽くすご家族の戸惑い、退去期限に追われる焦り、遠方から駆けつけても時間が取れないなど、さまざまな感情が折り重なっています。

そうした声を受け止める中で見えてきたのは、「作業の流れや進め方を明確にするだけで、負担はぐっと軽くなる」という事実でした。

本記事では、遺品整理の流れと始めるステップ、進め方のコツや注意点を、事例を交えながら解説します。

遺品整理をはじめ、整理全般をサポート
この記事は、遺品整理の専門家が監修し、現場経験を基に作成されています。
サイト運営者プロフィールはこちら

遺品整理を始める前の基礎知識

遺品整理は、故人が遺した品々を「残す」「譲る」「手放す」という観点から仕分けを行い、形見分け・相続や遺産分配を見据えた対応へとつなげていく大切な工程です。単なる片付けではなく、故人の人生や思い出を振り返る時間でもあります。

生命保険証書

実際の現場では、遺言書や相続に関わる重要書類、貴重品の有無を家族や親族が確認しながら進めることが多く、見落としや行き違いを防ぐことで、遺産相続のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

また、遺族同士が意見を交わす機会にもなり、今後の進め方や不動産に関する方針をすり合わせるきっかけにもなります。

遺品整理の目的を明確にする

遺品整理は、遺族が故人と向き合いながら新たな生活へ一歩を踏み出す節目です。その目的を明確にすることで、無理なく丁寧に進めることができます。

故人の思い出を大切にする

アルバムや手紙、趣味の道具など、思い出の品は家族の記憶をつなぐ大切な存在です。手放すもの・残すものを話し合いながら決めることで、故人への敬意を形にできます。

親族の負担を軽減する

明確な遺言書や整理された物品は、遺族の精神的・時間的負担を大きく軽減します。遠方に住む親族が多い場合なども、段取りと進め方を可視化しておくことでトラブルを防ぎやすくなります。

実家の方針を決める

ご実家が持ち家であれば、住み継ぐ・売却・賃貸など、今後の活用方法について「誰がいつまでに、何をするか」家族で方向性を共有することが大切です。

賃貸の場合は退去期限も踏まえ、早めに整理の計画を立てる必要があります。
その際には、手続きの調整を担う人を明確にし、段取りを可視化しながら家族の意見を丁寧にまとめていくことが重要です。

遺品整理の進め方と流れ

遺品整理を負担なく進めるには、全体の流れを意識しながら、最初の段取りを丁寧に整えることが大切です。
ここからは、具体的にどのような順序で作業を進めればよいか、実際の現場で多く寄せられた声をもとに解説していきます。

事前準備の重要性

作業を始める前に、事前準備をどこまで整えるかが、その後の進行を大きく左右します。

まずは、日程や担当者の割り振り、退去期限や必要な手続きのスケジュールを明確にしておくことが大切です。

事前に現場の状況を把握しておくことで、想定外の対応を求められた場合でも、慌てることなく対応しやすくなります。必要に応じて、専門業者による下見や見積もりを活用すると安心です。

遺品の仕分け

仕分けでは、思い出の品や財産価値のある品を探すことから始まります。

現金や高額な貴金属などの貴重品はその場でリスト化し、家族で情報を共有しておくと整理がスムーズに進みます。

まれに「この形見は家族の○○へ」といった指示が書かれた遺言やメモなどが見つかることもあります。仕分けの際には見逃さないよう丁寧に確認しましょう。

巨匠画家のレプリカ

さらに、骨董品やコレクションなどのカテゴリは価値判断が難しく、慎重な対応が必要です。

必ずしも正式な鑑定を受ける必要はありませんが、判断に迷う場合には、遺品整理業者ではなく、プロの鑑定士や専門機関へ相談することで、より正確な価値判断が可能になります。

処分方法の選択

仕分け後に残った生活ゴミや不要品の処分方法を早めに決めます。

最近では多くの遺品整理業者も存在します。専門業者への依頼には各種方法があり、費用と手間を比較して選択します。

また、エアコン・テレビ・洗濯機・冷蔵庫、そして一見すると粗大ゴミと思われがちな乾燥機も、家電リサイクル法の対象品となります。

洗濯機

そのため、業者が収集する際にも別途リサイクル券が必要となります。追加料金の有無を事前に確認したうえで、決定事項は家族で共有してから実施しましょう。

ただし、処分方法の選び方を誤ると、利用するサービスによっては費用が想定以上にかかることもあります。結果として、思わぬデメリットにつながる可能性があるため注意が必要です。

料金相場を把握したうえで、依頼先の実績や評判をしっかりと調べ、複数の選択肢を検討して決定することをおすすめします。

進め方のポイント

これまで、説明した3つのポイントをグラフにしましたのでご参考ください。

項目 内容
事前準備 それぞれの役割を事前に話し合っておけば、
検討事項が増えても円滑に進行できる体制が整います。
遺品の仕分け 引き出しの奥から思わぬ貴重品が見つかることもあるため、
作業は二人以上で確認しながら進めましょう。
処分方法 遺品には個人情報が含まれることもあるため、
確実な廃棄を任せられる信頼性の高い業者を選ぶことが大切です。

見落としやすいポイント

遺品整理を始める際には、残すべきものだけでなく、「あとで必要になるかもしれない情報」にも目を向けることが重要です。

項目 内容
契約関係の書類 銀行口座、保険、公共料金などの契約情報は
後の手続きに必要となるため、早い段階で確認を。
小さなメモ 電話番号や暗証番号、現金や通帳の保管場所などが、紙の端に書き残されていることもあり、見逃さないよう注意が必要です。
写真の裏書き 日付・名前・場所の記載が思い出や相続の判断材料になることも。
整理の際に見逃さないよう確認を。
見えにくい場所 棚の奥、タンスの裏、封筒の中などに
重要なものが保管されている場合があります。

住まいの形態による進め方の違い

実家が「持ち家か賃貸か」によって、整理にかかる時間や進め方が大きく変わります。
持ち家の場合は期限に縛られない分、整理にかかる期間が長引きやすく、気持ちの整理と並行して丁寧に進めるご家庭が多く見られます。

一方、賃貸住宅では、決められた日数以内で対応を終える必要があるため、時間がかかりすぎないような段取りが求められます。

また、整理後の不動産対応についても、売却や解体を検討する持ち家と、すぐに明け渡す必要がある賃貸物件では、リスクや費用の面でも注意すべき点が異なります。

持ち家を整理する手順と注意点

持ち家での整理では、「期限がない」ことがかえって作業の先延ばしを招くことがあります。
それを防ぐには幾つかの進め方のポイントがあります。また、戸建てでは注意して頂きたいこともありますのでご参考ください。

中心となる人を決めておく

家族間でそれぞれの役割を事前に決めておくと、片付け作業や各種手続きが円滑に進みます。
たとえば、「銀行などの名義変更や解約手続きの担当」「公共料金や契約関係の確認担当」「形見分けや仕分けの担当」など、具体的な分担を明確にすることで、誰か一人に負担が集中するのを防げます。

加えて、業者としての経験から申し上げると、全体を取り仕切る“中心となる人”を一人決めておくことで、意見の衝突を未然に防ぎやすくなり、意見の違いが生じた際にも早期に解決しやすくなります。

✅ 誰が中心になるかを決めた上で、感情的な対立も避けやすく、片付けのペースを保ちやすくなります。

境界確認書とは?

戸建ての持ち家を売却または解体する場合、「境界確認書」などの関連書類が必要になるケースがあります。これは土地の境界線が明確であることを証明する書類で、家の整理中に思いがけず見つかることもあります。

内容に心当たりのない書類が出てきた場合でも、処分せずに一旦保管し、内容を確認することが大切です。

遺品整理を終えた後が大切

遺品整理が終わった後は、実家の今後の扱いについて家族でしっかり話し合っておくことが大切です。将来的に「売却するのか」「誰かが住むのか」「賃貸に出すのか」など、実家の方向性を早めに決めておくことで、その後の管理や手続きもスムーズになります。

賃貸物件での遺品整理の進め方

賃貸住宅での整理は、管理会社や大家とのやり取り、退去期限の遵守など、スピードと段取りが求められます。

貴重な遺品を見逃さない

限られた時間の中で作業を進める際には、現金や貴重品を誤って処分してしまうケースが実際に多くあります。

押し入れの布団

特に、玄関近くの棚、押し入れの上段、布団の間など、高齢の方が災害時や非常時に備えて、現金封筒を隠していた場所は要注意です。

また、亡くなった方の部屋には、借金や未払い請求など「負の財産」の痕跡が残っていることもあるため、書類は慎重に確認しましょう。

✅ 亡くなった方宛に届いた金融機関からの郵便物は、相続人が内容を把握するためにも、中身を必ず確認しましょう。すぐに処分せず、一時的に保管することをおすすめします。

公団住宅での進め方の注意点

団地等で遺品整理を行う場合は、一般の戸建住宅とは異なり、共用部分や管理規約に関わる細かなルールが存在します。そのため、作業を始める前に、管理事務所や自治体への確認が欠かせません。

特に注意したいのが、大型家具や家電製品などの搬出です。これらを運び出す際には、エレベーターや通路の使用に関する申請が必要な場合があり、無断で作業を行うとトラブルの原因になることもあります。

風呂蓋の備品

また、備え付けられている設備についても注意が必要です。たとえば、一見すると個人所有に見えるお風呂の蓋や照明などが、実は公団側の備品として設置されているケースもあります。

これらを誤って処分してしまうと、後々、修繕費用の請求や原状回復を求められるトラブルが発生する可能性があります。

✅整理を進める前に、必ず管理事務所と詳細を確認し、退去時に求められる清掃範囲についても必ず把握しておきましょう。

遠い親戚の整理の注意点

遠い親戚の方や、あまり交流がなかった故人のお部屋を整理する場合には、特に注意が必要です。
というのも、その方の生活習慣や価値観、さらには持病や健康状態などを詳しく把握していないケースが多く、予期しない物品や医療器具が見つかることがあるためです。

たとえば、故人が糖尿病を患っていた場合、部屋の中からインスリン注射の針や医療用の注射器などが出てくることがあります。

医療廃棄物イラスト
(イラストACの素材を使用しています)

これらは適切に処理されていないと危険が伴い、誤って針を刺してしまうと感染症のリスクが生じることもあります。

整理を進められる際には、見慣れない薬品などを見つけた場合には、無理に処理せず、自治体や専門窓口に相談することをおすすめします。

遺品整理の特徴と注意点

例えば、引っ越しの経験がある方は多くいらっしゃるかと思いますが、遺品整理に関しては初めて取り組むという方がほとんどではないでしょうか。

引越しの場合、ご自身の持ち物を新居へ運ぶため、事前に必要・不要を判断し、不要なものは引越し日までに処分することが一般的です。

一方で、遺品整理の場合は、故人が生活を送っていた状態のままの空間を整理することになります。
そのため、思い出の品や衣類、生活用品、大量の不用品も混在しており、引越しの荷物よりも量が2倍以上になることも珍しくありません。

処分してよいかどうか判断に迷う物も多く、どこから手をつければよいのかという悩みを抱える方も少なくありません。

さらに、亡くなった方に代わって判断を下す必要があるため、衣類などの遺品は一つひとつ丁寧に扱うことが大切です。

晴れの日を選んで作業する

遺品整理は、故人が亡くなられた後、四十九日法要が過ぎてから行うことが多く、また葬儀のあとしばらくしてから実施されるケースもあります。いずれにしても、それまでは故人の部屋が長期間閉め切られたままとなっている場合が多く、空気の入れ替えや掃除が必要になります。

晴れの日の作業

そのため、整理作業を開始する際には、なるべく晴天の日を選んで実施されることをおすすめします。天候が良ければ、窓を開けて部屋の換気を行うことができ、作業環境も快適になります。

また、雨の日が多い時期は、どうしても気分が沈みがちになり、故人の思い出の品に触れる中で、感情がより落ち込みやすくなることも考えられます。
心身ともに落ち着いた状態で作業を進めるためにも、明るく穏やかな日を選ぶことをおすすめします。

部屋に入る際はスリッパを着用

高齢の方がお住まいだったお部屋を整理する場合、床の上に使用済みの蛍光灯や壊れた家電製品などが置かれていることがあります。

また、大量の不用品が積まれている場所では、割れたガラス片や釘などの危険物が視界に入りにくい理由から、うっかり踏んでしまう恐れもあります。
いわゆる「ゴミ屋敷」と呼ばれるような状態のお部屋では、特に足元の危険を避ける意識が欠かせません。

ゴミ屋敷のような部屋

そのような状況から、私たち専門業者は、作業を行う際には必ずスリッパを履き、さらに手には軍手を装着して安全対策を徹底しています。自分自身の物ではなく、故人の持ち物を扱う作業であることを常に意識しなければなりません。

思いがけない怪我の発生を未然に防ぐためにも、スリッパや軍手の使用は必須です。

デジタル遺品とは?

故人のお部屋にパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器が残されていた場合、それらは必ず保管し、慎重に扱う必要があります。
多くの場合、ご遺族の方々はスマートフォンを念のため保管する一方で、パソコンに関しては処分を希望されることもあります。

ただ、銀行口座の管理や株式などの金融取引をペーパーレスで行う方が増加しており、これらの重要な情報がパソコン内部にデジタルデータとして残されている可能性があります。

故人の部屋のパソコン

そのため、故人の財産管理や個人情報の保護という観点からも、たとえ使い道が分からなくても、パソコンやスマートフォンは一定期間保管し、必要に応じて専門家に相談するなどの対応を検討することが重要です。

デジタル遺品の扱いは、見落とされがちですが、非常に大切なポイントのひとつです。

遺品整理でよくある質問

以下に、皆様からよく頂く代表的な3つをご紹介します。

Q. 遺品整理の際に、貴重品などが見つかることはあるのでしょうか?
はい、実際の現場では、思いがけない貴重品や重要書類が発見されるケースが珍しくありません。
特に、ご両親の財産状況をすべて把握しているご家族というのは非常に少なく、生前に記したエンディングノートなどが残されていない限り、詳細は不明であることがほとんどです。
なかでも最もよく見つかるのは、ご遺族の方が存在を知らなかった「預金通帳」です。
故人が長年大切に保管していたものが、タンスの奥や書類の間などから見つかることもありますので、丁寧に一つひとつ確認することが大切です。

Q. 見つかっていない預金通帳があります
両親が使用していた預金通帳について、すべての金融機関や口座を把握できておらず、お困りの方もいらっしゃるかと思います。
このような場合には、まず故人の生活空間に残されている郵便物の確認から始めてみることをおすすめします。
特に、銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行など金融機関から届いた封書やはがきが見つかれば、それが手がかりになる可能性が高いです。

通帳そのものが見つからなくても、定期的に届く残高通知や取引明細などから、取引のあった金融機関を特定できる場合があります。
また、相続人が本来もらう予定だった財産に関する情報が含まれていることもあるため、こうした書類や通知類はうっかり捨ててしまう前に、慎重に中身を確認することをおすすめします。

Q. 業者に依頼する場合でも、準備が必要ですか?
はい、実際には「初めからすべてを業者に任せたい」というご希望よりも、「重要なものは自分たちで探しておきたい」といったケースが多く見られます。

そのため、業者へのご依頼に先立って、ご遺族ご自身である程度の準備や確認を進めておくことをおすすめしています。たとえば、貴重品や通帳、印鑑、写真、書類などが保管されていそうな場所を事前に確認しておくことで、円滑に進行することが可能になります。

また、どのような物を残したいか、不用品として処分してもよい物は何かといった方針も、あらかじめご家族の間で共有されていると理想的です。

事前に、ゴミ袋や段ボールやカッター、ガムテープ、軍手、ビニール、マスクなどを用意いただくと、ご自身での分別や仕分けをされる際にも役立ちます。業者との打ち合わせ時には、作業対象の範囲や状態、希望する対応内容を明確に伝えていただくことが、安心できる整理につながります。

遺品整理を悔いなく進めるために

遺品整理は、ご遺族にとって心身ともに大きな負担となる作業です。整理を始めるタイミングを見極め、無理に一度で終わらせようとせず、少しずつ段階的に進めることが、心と身体にやさしい方法です。

まずは、誰が何を担当するかを家族で話し合いましょう。整理にかけられる時間や期限を、あらかじめ明確にしておくことで、焦りや混乱を防ぐことができます。

また、自分で判断が難しい場面では、プロの専門家のサポートを受けることも選択肢の一つです。そのメリットを理解したうえで依頼することが大切です。

不安な工程について専門家へ相談する方法は、こちらをご覧ください

📞 ご相談・ご依頼はお気軽にお電話ください:
048-471-0840

年中無休で営業しております。
電話受付:平日 8:00〜19:00 / 土日祝日 9:00〜18:00
時間外:無料見積もりメールは 24時間対応
女性スタッフ在籍 ハウスクリーニング対応 買取 産業廃棄物・古物商許可資格取得

生前整理で施設入居に向けた片付けをご検討の方 ⇒ 「生前整理と不用品回収
関連リンク集 : 遺品整理 不用品回収 遺品整理 相場 マンション 一軒家の遺品整理はいくら?費用相場 空き家リスクと住宅解体工事のメリット

  

遺品整理のご相談

メディア掲載履歴

運営者プロフィール 運営者プロフィール
ページのトップへ